HERB&FRAGRANCE KAORIKAN

ミント（和名は薄荷(ハッカ)）の種類は大変多く、600種以上もあるといわれています。
このペパーミントもそういった交雑種の一つで、ウォーターミント（M. aquatica）とスペアミント（M.spicata）の交雑種になります。
ミントは、大変交配しやすく、環境に適応しやすいので世界各地に生息しています。


ちなみにアロマオイルでよく見かける、ペパーミント、スペアミント、和ハッカ。この３つは全てシソ科です。属名Menthaも共通していて、「ハッカの類」になります。
葉の形や花の色は違いますが、基本的には同じような感じです。


ペパーミント…セイヨウハッカとも言われています。地中海沿岸からヨーロッパが原産です。
スペアミントとウォーターミント（こちらは精油として売られていないので、どういうものかよくわかりません）の交配種ではないかと言われています。
主成分はメントールで、スースーの香りは、このメントールから出ています。


スペアミント…主に中央ヨーロッパが原産です。葉がとがっていて槍の形に似ているので、槍の意味の「スペア」の名前がついています。何語でスペアだかわかりません。
こちらは、メントールが含まれていません。その分、スースー感に欠け、やや甘さのある香りです。


和ハッカ…日本人にお馴染みのニホンハッカは、主に北海道の北見地方で採れます。ペパーミントより、メントールを多く含むので、よりスースー感があります。



ペパーミントとスペアミントの大きな違いは、ペパーミントの主要成分であるメントールとメントンがスペアミントにはほとんど含まれておらず、そのため、ペパーミントよりも甘く柔らかい香りがする点。
スペアミントの主成分はカルボン。スペアミントの香りの元で、消化不良によく効きます。

また、ペパーミントはお菓子やリキュール類によく使われ、スペアミントは料理用のハーブとしてよく使われます。羊料理の定番ソースのミントソースはスペアミントを用いています。

人気の面でも、ペパーミントは日本で、スペアミントはヨーロッパで好まれているようです。これは、ペパーミントが交配種として誕生するずっと昔からヨーロッパでスペアミントが愛好されていたからでしょう。

ハッカ油の原料となっているのは日本薄荷（和ハッカ）。学名Mentha arvensis var.　piperascensです。
メントールの含有量はペパーミントよりも高いのですが、西洋種のペパーミントと比べて香りが劣るので、お菓子の香味などには使われていません。
このMentha arvensis種の中で、西洋種のものがミントアルベンシスの名でアロマオイルとして発売されています。

【精油プロフィール】
ペパーミント　Mentha piperita 　シソ科
抽出部位；葉
抽出方法；水蒸気蒸留法
原産地；アメリカ、イギリス、オーストラリア、イタリア、フランス、インド、中国など
主な成分；l（エル）－メントール、ｌ（エル）－メントン、1.8－シネオール、イソメントンなど
期待できる作用；駆風作用、刺激作用、胆汁促進作用、鎮けい作用、冷却作用など
香り；スーッとしたクリア感のある爽やかな香り
お手軽度；★★★★★
注意事項；子ども、妊娠中の使用は避ける。皮膚刺激の可能性あり。
相性の良い精油；ローズマリー、ラベンダー、マジョラム、レモン、ベルガモット、ユーカリ、ベンゾイン、シダーウッド、サイプレス、ニアウリ、パイン、マンダリンなど
心への作用；脳に刺激を与えて集中力を高め、眠気を覚まします。頭の中のモヤモヤ、混乱、無気力を改善してくれます。
体への作用；消化不良やおなかの張りなど消化器系のトラブルに作用します。吐き気、乗り物酔い、時差ボケにも
肌への作用；日焼け跡のケア、脂性の肌や髪のお手入れ、虫よけにもおすすめ


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